
当館 琉球空手・古武道清流館 姫路支部 に、忘れがたい時間を共にした一人の仲間がいました。
今回は、埼玉県から姫路へ単身赴任で来られていた Yさん のお話をご紹介します。
Yさんは50代の男性。
春にお仕事の都合で兵庫県姫路市へ単身赴任され、奥さまやお子さんは埼玉に残しての生活が始まりました。
埼玉でも沖縄空手を学び、さらに琉球古武道にも長く親しんでこられたYさん。
知らない土地、慣れない環境で
「仕事だけの毎日では、どうしても張り合いが持てない」
と感じる中、これまで続けてきた琉球空手を姫路でも続けたいという思いから、当館を探し当ててくださいました。
同じ琉球空手でも流派は違います。
それでもYさんは
「一から清流館の空手を学びたい」
と決意され、ホームページをご覧になり、メールでお問い合わせをくださいました。
そして5月から体験入会として稽古がスタートしました。
当館では、伝統型の稽古に加え、
棒術・サイ術・ヌンチャク・トンファー・鎌・ティンベー・エークなど、
多彩な琉球古武道の武器術も学びます。
最初は、立ち方や型、動きの考え方の違いに戸惑う場面もありました。
しかしYさんは、その違いすらも楽しみ、稽古のたびに
「目から鱗です!」
と、少年のような表情で驚かれていたのがとても印象的でした。
一般稽古では、100以上ある型の習得を目指します。
古武道に至っては、武器の種類も多く、型の数も膨大です。
慣れない道具に苦戦しながらも、Yさんは一切手を抜くことなく、常に真剣に稽古に励まれていました。
古武道の道具は、簡単に手に入るものもあれば、探すのに苦労するものもあります。
そんな時は生徒同士で情報を共有し合い、道具探しそのものも楽しむ——
そんな光景も、同じ物事を大切にしている仲間だからこそ感じとれる環境なのかもしれません。
約一年半の稽古を経て、Yさんは昇級審査で茶帯を取得。
その後、単身赴任の期間を終え、姫路を離れることになりました。
「もっと、ここで稽古したかった」
その言葉を聞いた時、指導者として胸が熱くなりました。
Yさんのさらなる成長を、もっと近くで見守りたかったという思いは、私だけでなく姫路支部の仲間全員が感じていたことだと思います。
しかし、Yさんの空手の道は、姫路で終わったわけではありません。
現在Yさんは、埼玉県川口市にて月2回、貸し道場を利用しながら一人稽古を継続されています。
そして、沖縄本部で行われる昇段審査での黒帯取得を目標に、今も真剣に修行を続けておられます。
日々の稽古の様子は動画に収め、姫路支部へ送っていただくことで、
動画を通じた指導・アドバイスという形で、今もつながりは続いています。
Yさんは最後に、こんな言葉を残してくれました。
「仕事で来た姫路でしたが、仕事だけでは気持ちが持たなかった。
清流館で皆さんと一緒に稽古できたことが、毎日の励みになりました」
指導者として感じたのは、
Yさんの “一歩踏み出す勇気” こそが、姫路での生活を支え、
そして今も空手の道を歩み続ける原動力になっているのではないか、ということです。
見知らぬ土地で、会ったことのない人たちの中へ飛び込む勇気。
さらに、これまでとは違う流派の空手を学ぶ決断。
それは決して簡単なことではありません。
短い期間ではありましたが、
Yさんにとっても、そして私たち姫路支部の仲間にとっても、
この出会いは大きな学びと、かけがえのない経験となりました。
距離は離れても、空手でつながったご縁はこれからも続いていきます。
またいつか、道場で一緒に稽古できる日を心から楽しみにしています。
Yさん、これからも黒帯を目指して頑張っていきましょう。
























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